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五輪エンブレム問題

2015年08月05日

巷で五輪エンブレムに関して物議を醸しているようですが、競技場問題やスタッフユニフォームなど、すっきりしない状況が続いていて少し残念です。

エンブレムをデザインした佐野研二郎氏によると

「世界に類のないエンブレムだと確信している」
「真にオリジナルのものができたからこそ自信を持って世の中に送り出した」
「要素は同じものはあるが、デザインに対する考え方が全く違うので、全く似ていないと思った」

とのことです。

この手の問題はデザインに限らず音楽業界やイラスト業界でも多いようで、クリエイター使い捨ての時代である昨今、モラルの低下は否定出来ないと思います。

さて、五輪エンブレムがベルギーのリエージュ劇場のロゴを参考にしたかどうか、似ているかどうかは置いておき、せっかくのお祭なのだから、もっと国民が参加して楽しむイベントにした方が良いと思うのです。

例えば、星のめぐりが悪く、表舞台に立てない素晴らしいデザイナーさんがたくさんいると思うのです。

既に日の当たる場所で活躍している方ではなく、そういったデザイナーさんにチャンスを与えたり、国民のイベントなのだから公募して国民みんなで盛り上がれば良いと思うのです。

また、エンブレム選考委員を勝手に決めるのではなく、どうにかして国民が投票出来るシステムを構築すれば良いと思うのですよね。例えばマイナンバー制度は良い噂を聞きませんが、これを利用したネット投票であるとか、明るい方向を提示していくと、理解も深まるんじゃないかなぁと思ったりします。

膨大な費用も掛かりますし、非現実的であることは重々解りますけど。

国民ってそれほどバカじゃないのです。ましてこの情報化社会、だれでもいつでもネットにアクセスして情報を引き出せる時代に頭の古い人間が利権まみれで企画しても、バレバレなのだと思います。

 

佐野研二郎氏の経歴は素晴らしいものだと思います。

ですが、氏が本当の意味でクリエイターとしてのプライドがあるならば、似通ったデザインを出した事を先ず恥じ、謝罪し、それから先の事を考えるべきだと思うのです。

パクったパクらないは問題じゃないのです。結果的にそう思わせてしまうデザインを生み出した自分の発想力を恥じて欲しいと思うのです。

全く知らなかった、見た事もない、コンセプトが違うとか、そういうのはどうでもいいんですよ。

地位や名誉、お金を優先するのか、デザインクリエイターとしてのプライドを優先するのか、今回の件はそういう事だと私は思います。

 

まぁ・・・相当なお金と人間が動いているのでしょうから、氏の一存ではそう言うしか無かったのでしょうけど。

ほんと、ケチばかり付き纏うオリンピックだなぁと思います。

 

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2015-08-09

その後、この問題はサントリーのトートバックデザインにまで目が向けられ、それらが著作権の有る素材を使用しているなど、問題視する声が高まっているようです。

こじつけやろ?ってレベルじゃなく、そのままコピーしたものまで出てくる始末

確かにデザイン業界ではロイヤリティフリーの素材をパッチワークのように切り貼りし、デザインする事は珍しく有りません。トートバックのようなたくさんのデザインが必要な場合は特に、それら一つ一つをデザインしていたら数ヶ月も掛かってしまうかもしれません。

でも

大手企業のデザインを担うような立場で有り、スタジオとスタッフを抱え、相応のデザイン料を取っている方がこれやっちゃいけません。工数をどれだけ削減出来るかが勝負の、私達のような下の人間と同じような事をこの方がやっちゃいけないと思う。

少なくともデザイナーとして上り詰めた位置の人です。

誰しもがそこに登りたいと必死に頑張っている。

そういうデザイナーの卵のお手本となるべき方が、このようなデザインをしちゃいけないと思う。

多くの人の目に止まり、対価を払って得たアイテムのデザインが、このようなパッチワークじゃ悲しくなります。

デザイン力だけじゃ登れないのかもしれません。

でも、登ったからには、目標とされるデザインを生み出し、そこを目指す多くのデザイナーに道を示さなくてはならない立場です。

 

手本となる大人がこういうことを平気でやるから、若い人が萎えるんですよ。

コネや挙げる声で勝負しないで欲しい、デザイナーならデザインで堂々と勝負して胸を張って欲しい。

これらの情報は所詮ネットのものなので、全てが間違いであって欲しいと願います。