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下請けって難しいよねってお話し

2015年04月21日

下請けといっても、例えば企業から直接的に仕事を貰っているケースや、中間に代理店が入っているケースなど有りますが、うちは企業から直が多いんですね。私自身が代理店を間に入れる事を酷く嫌っているという事もあるのですが、例え間にどこかが入るにしても、エンドユーザーと話した上で、より良いものを作りたいって気持ちが強く有ります。

幸いにもうちは東京の大手企業などから直で仕事を頂く事が多く、そういった会社は自社でWEB部門を持っていたり、打合せをしてもスムーズに進みます。

WEBの仕事って、内向き(基幹システムなど)と外向き(顧客向けサービスなど)があるのですが、内向きは割と融通が効くケースが多いです。ぶっちゃけ「有効にする場合は1を入力しておいて下さい」とか出来る訳です。いえ、ちゃんとセレクトにしますけども。

これが外向きになると、利用者の年代やデバイス種類など、とにかくたくさんの事を想定しなくてはなりません。

例えばとある予約フォームを作ったとき、予約メールを自動返信し、記載されたURLをクリックする事で予約が有効になるという仕様を提案したのですが、ご老人の方などは、それが理解出来ないケースもあると思うので、送信された時点で有効化で、と指示された事が有ります。

これの問題は
・メールアドレスが間違っていないか
・イタズラ防止
・スクリプト防止
といった感じで、出来れば送信して即予約!とはしたくないのですよ。

また、別の案件では、とあるフォームに画像認証を付けて欲しいという事で付けたのですが、読み取りにくいのでもっと読みとりやすいようなものにして欲しいと指示されました。あの・・それ元も子もないんじゃ・・・汗

こんな事も有りました。その会社は不動産を扱っている会社で、マルチランゲージの物件検索システムを作って欲しいとの事。現行のサイトをFTPで拝見すると、物件データが1ページづつHTMLで書いてありました。そこで、不動産をデータベース管理し、ランゲージも管理パネルから登録出来るようにしましょう、とご提案しました。

不動産管理のアプリケーションってそれほどバリエーションは無く、例えば近畿レインズに則った物件登録フォームを作り、画像が登録出来て、一覧表示出来れば良いのです。そこに商談中や成約済といったフラグを持たせるなど、肉付けをします。

元々不動産物件管理システムを多数作っている事も有り、さくさくっと管理システムを構築したのですが、いざ出来上がってみると担当者とどうにも話しが通じないんです。

要はこれまでHTMLを作成していた会社へそのまま日本版作成を継続し、うちは日本語以外の管理システムを作って貰いたかった、との事なのです。ここまでであれば、私の勘違いで済みますし、どのみちマルチランゲージ対応なので、日本語版を削れば済む話し。

ところがそれで終わらず、よく話しを聞いてみると、その他社がHTMLで作っているページも、うちが作成した不動産検索システムの条件指定にマッチさせ、検索結果として一覧に出してくれ、との事。

いえ・・・それ無理ですし・・・

それをどれだけ説明しても、なぜ出来ないですか?そこら中にそういった検索システムが有りますよね?って言われる始末

なら、元通り、こちらの物件検索システムは日本語版も有効にし、完全にこちらで管理をする形で、HTMLの方は削除してしまいましょうとご提案すると

なぜせっかく作ったものを削除する必要があるのですか?そのまま利用すれば良いのでは?

もう本当に困りました。

あと、最近困るのはレスポンシブウェブデザイン

レスポンシブにする=スマートフォンでの表示を想定してデザインする、なのですよ。あ、新規の場合ですが。

しかし、DTP畑の人って、そういう勉強は全くせずに、いつまでもPC専用の凝ったデザインを出してきて、レスポンシブにして下さいと言われるのです。

正直きつい。

せめてBootstrap程度でいいので、軽く学習してくれると良いのですが、そうはいかず。

ちょっと昔、いえ、大昔になるのかな、の話しですが、私は鉄骨関連の仕事をしていて、原寸を書いたり施工図を書いたりって事も出来ますし、施工から建て方までやれるのですが、これ、最近はおねーさんがCADで図面と施工図を書いて、それで施工していくケースが殆どです。

分業化は仕方ないのですが、図面通りに施工図を書くと、とんでもない目に合う事が有ります。

基礎のまんじゅうの上に柱をおったてハリを乗せ…と、当然クレーンを使う訳ですが、その現場にクレーンが入れるか、入れたとしてもブームを回す空間があるかなど、それによって施工図も変えなくてはなりません。特に、既存の建物の壁にハリを貼り付け、そこから小梁やモヤを流すような増築のケース。

増築の場合、垂直な壁にであれば何の苦労も有りませんが、大きくひさしが出ていたりするとクレーンで吊れないのです。

どうするかっていうと、コロでひさしの下まで資材を運び、チェンブロやレバブロを使って手作業で釣り上げるんです。なので、この釣り上げる梁の重量が重い場合は、施工の段階で分割しておくと作業が楽になります。しかし、工場の製図室でCADを使っているおねーさん達は現場を見に来ませんし、図面通りに施工した何トンもある梁を手作業で釣り上げる事になる、なんてケースも。

WEBと分野が違いますが、質は一緒です。そもそも仕事って、分野が違っても、その質は一緒だと私は思っています。

様々なケースを想定し、どんな道具を使い、どう効率よく進めるか。

WEBで言えば、ちょっとしたアニメーションは一昔前、Flashを使っていました。しかし、現在はHTML5やAjaxなど、様々な選択肢が用意されています。ましてスマートフォンはFlashに対応していませんので、もう選択肢には入りません。ですが、Flashしか出来ないと、それで作っちゃうんですよね。

顧客してみたら思った通りのアニメーションとなればFlashでもHTML5でも良い訳ですが、WEBとしては間違いです。

とは言っても、選択肢が多い=売上、とはならない辛さ。

どれだけ良いものを知っていてもそれに造詣が深くても、同じだけのスキルが顧客に無いと、その良さを理解して貰うのは難しい現状。

中々難しいものです。